192条
取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
売買して得た動産が、たとえ本当は売り主の物ではなかったとしても、その事を買った人が知らなかったら、それはもう買った人の物になる。
「そんな事情知らない、買ったんだから私の物でしょ。」←これを認めることです。
売り主を信じて、ちゃんと取引してるわけで、それは当たり前で。
その基礎となる「取引行為」っていうものの安全と信頼を守らなきゃ、
世の中もっと世知辛くなって誰も人を信じなくなってしまいますから。
結果、きちんと信じる人は保護されると。
※権利を取得となっているのは、所有権のほかに質権も即時取得できる権利だから。
取引行為
これ、たくさんまちがえましたね…。なんか噛み合わなかった理由が...
無権利者との取引行為だったんですよ!そう書いてくれればいいのに!
でもそうじゃないと、即時取得なんて規定作らなくてもいいんですよね。
だって普通に権利取得する普通の取引しただけだもん(^^;)
無権利者、ようは真の所有者ではない者との取引行為です。
ただし、制限行為能力者・無権代理人は無権利者には含まれません。
※それぞれの保護規定が別にある、即時取得は適用されない
※錯誤があった場合も同様(詐欺・強迫もきっとそう)
相続は取引ではないです。見つけた、拾った、奪ったも。
目的物は動産
不動産には登記という公示制度があり、かたや動産にはない。
真の所有者を探る手段がないわけですから
取引の安全のため、頻繁に取引される動産の占有には公信力が与えられる。
動産は対抗要件が引き渡しですし、持ってるその人の物だって信じていいよ。って力ですかね。
不動産はダメですよ。でも意外と引っかかりますからw
あとはお金が認められてない。まぁ確かに別の問題な気がする。
あとは車は登録制度があるから、未登録の車だけ動産に含まれる。
やっぱりというかそう考えるよね~と思ったのが木!
伐採前は不動産(地面に生えてる木の一部)で、切っちゃたら動産に含まれる。
占有を開始
自分の手元にあるか、管理してくれてる人のところにあるか
これが「占有」
ですので指図による占有移転はOK
しかし
占有改定による引き渡しでは即時取得は成立しない。
(Aは自分の物をBにあげたが、引き続きAが持ってる場合)
理由は、その「もの」が自分の手元にないから(占有が始まってない)
平穏かつ公然、善意・無過失
即時取得のときは、
この要件は初めから推定されてるから立証しなくていいらしい。
(でも覚えなきゃいけないことに変わりはない)
188条
占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
この条文で無過失も推定されてるのだそうです。
そもそも前の占有者(売り主)もこれの推定を受けてるから、むしろその推定があるから取引しようという気にもなるわけで...みたいな理由らしい。
186条1項
占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然を占有するものと推定する。
こっちがなぜ無過失の推定はないのかは、規定されてないからだって…😅
あとは瑕疵の無い自主占有を推定するための条文だからみたいです。
即時取得については186条ではなく、188条を使って無過失も推定させる結論。
回復請求
即時取得の対象となっている動産が
盗品または遺失物なら盗難又は遺失の時から2年間はその物の回復を請求できる。
過去問では盗まれた物が、ある日見つかって、取り返す側でよく考えさせられる。
でも逆の立場からすると「それ私の物だから返してください」といきなり言われてるんですよね(~_~;)
実は肢別4周目にして気づいた、即時取得の対象となっている動産
つまり相手は即時取得で手に入れてる物が、もとは自分の物という場面に。
それまで自分が即時取得したものが盗まれた場面だと思ってた(恥ずかしい)
だからあえて逆の立場で考えて覚えたんです。
「それ私の物だから返してください」と言われる側の立場
いくらそう言われても嫌ですよ返すの、こっちだって今は自分の物なわけだし
だからあくまで任意なんです。ちゃんと条文の語尾も「することができる」
盗難の時から2年以内に回復請求されてしまったら
特別の代価なし(タダ)で返さないといけないとかあんまりでしょう!
競売、公の市場、その物と同種の物を販売する商人から善意で買ってたら
支払った代価を弁償してはくれると言っても、
やっぱり返したくない物だってありますよね。
これ最初はずっと占有回収の訴えと同じものだと思ってたんです(^^;)
ホントの最初からまちがって理解してた論点の1つなので苦労しました…
今でもバッチリだ!とは思えない。
でもこういうものほど記憶には残る。
まちがった回数が多い論点ほど、あとで自信持てる知識になる。
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