❶お互いに同じ種類の債務があって、
❷どちらも弁済期にあるなら
❸その対当額については
相殺することで債務を免れることができる
(いちいち返し合わないで返したってことにしたらどっちも払わなくていいよね)
消し合う、帳消し、これが相殺ですね。
チャラにしましょうか?ってのがイメージとしてある。
❶同種の債務じゃないと相殺はできない。
お金とお金が分かりやすいです(友達に10万借りてるけど、10万貸してもいる)
物と物は、同じ物じゃないとダメだから(みかん10個とりんご10個はダメ)
❷双方の債務が弁済期
このルールすぐ崩れますけどね(^^;)
一応はどちらも返す時期に来てるのが原則なんでしょう。
❸対当額
お互い同額じゃないとダメというわけではない、と言いたいわけです。
友達に10万借りてる、でも前に50万貸してるなら
「返してもらうのは差額の40万でいいよ」って思いませんか?
対当額ってその10万の部分のことですね。
(50万のうちの10万と相手の10万)
そして10万円分はお互い払わなくて済んだね。となる「相殺」
ケータイの機種変更する時や、車とか買う時なんかの下取り価額分を引いてくれる、あれが1番身近な相殺かも。
そんなチャラにできそうな雰囲気のことが「相殺適状」だと思う。
私は友達に10万借りてる、でも10万貸してもいる。
(こういうのを相殺適状にある状態という)
そこでこの10万を相殺してチャラにしようと友達に話を持ちかける。
これで実は相殺できる。というか話を持ちかけないでもいい。
「相殺するから」と言えばいいだけ。
一方からの意思表示だけで相殺はできるんです
この場合の私の方の10万の貸金債権を自働債権と呼ぶ。
(自分から働きかけたから)
そして友達の10万の債権を受働債権と呼ぶ。
(それを受けたものだから)
ここから債務は債権になるw(表裏一体のものなので)
きっと相殺するのはあくまで債務で、
債権はそのための対になるアイテムみたいなものだからかな。
相殺の方法と効力
一方からの意思表示だけでいいわけです
お互いの合意でもなく、自動的になるでもなく、一方的なんですよね。
だから拒否ってものができないんです。
というか相殺適状にあるなら意思表示さえクリアすれば相殺されちゃう
(拒否しても相殺の効力は生じます)
それは相殺が相殺適状となった時に遡って効力を生じるから。
「相殺するからね」が相殺できるようになった時に言われたようなもん。
だいたい過去(ほんの数秒前でも)になってるんで過去に効力生じたものをひっくり返すなんて無理。のような感じで相殺ってされるんです。
だから相殺には条件も期限も付けれないとなる。
過去に条件も期限も付けようがない。付けたって今更だし。
また付けたら相手は困るんですよ。ホントにするの?できるの?ってなる。
出来なかったらどうなるの?するって言ったじゃん!そのつもりだったのに。とか何とか揉めるもとだと思う。
1番ストレス溜まるこういう状況(~_~;)
はっきりしないのって…なのに相手の出方待つしかないとか嫌ですよね。
結局迷惑かかって振り回されるのこっちなんだから。
履行地の異なる債務の相殺
507条
相殺は、双方の債務の履行地が異なるときであっても、することができる。この場合において、相殺をする当事者は、相手方に対し、これによって生じた損害を賠償しなければならない。
これ読んでわかる人っているんですか?
全然わからない。
することができる、だけ分かった。。かろうじて(^^;)
できるのね、わかった。と心で呟いたもん。
それから数カ月...
何かでピンときたんですよ!覚えてないけど…なんか別の論点の時のどっかだ。
その時に書いたメモ
「東京の土地売却代金と福岡の土地売却代金は相殺できる」
「👆受け取り場所が違う→債務の履行地が異なるってこれ?」
きっとこういう事を言いたいのだと思ってます。
正確には土地の購入代金ですかね。
東京の会社と福岡の会社がお互いが持ってる土地を買ったんです。
(東京の会社は福岡の土地を、福岡の会社は東京の土地を)
土地なんでいろいろあるから支払いする場所はその土地の在る所なんです。
なので東京と福岡で払うことになってる。
(東京の会社の人は福岡に来て支払い、福岡の人は東京に行って支払う)
行き来するの大変ですね💦昔ってそれしてたんですよね(~_~;)
それで交通費もかかるしどうにかしようと、ちょうど同じ金額だったから相殺しませんかとなった時できたら助かるなと思う。
ちなみに損害の賠償って...?
東京の土地の方が高いし、ふつうは相殺だけじゃ無理そう。
福岡の人はきっと差額を払いに来ないといけない。
その交通費出してくれるんですよ、きっと。
今は振り込めばいいんですけどね✨
相殺禁止特約
相殺を禁止したり制限したりも出来ます。
基本は合理的だと思うけど、一方的に出来るものでもあるし、やっぱり嫌な人もいるということですかね。
(さっきの東京と福岡の社長さんどうしが兄弟で、お互いそれぞれの場所で支払いに来た時に会ってご飯を一緒に食べようと思ってて、相殺を禁止するってこともあり得るかもしれない)
債権譲渡でもありました、やっぱり相殺を禁止してても譲渡されることもある…
この場合、善意・無重過失の第三者には対抗できません。
(ここだけですよね?無重過失とかいう言葉あるの。重大な過失の反対だから)
そんな約束あるの知らない人で譲り受けた人に「相殺しないで!」と押し付けるのは可哀想ですもんね。
弁済期前の相殺
双方の債務が弁済期にある。というのが原則でしたが
相殺の意思表示をする方の債権→自働債権だけでも弁済期到来してたら
受働債権は弁済期がまだでも自ら期限の利益を放棄することにより
相殺ができちゃったりします😊
友達に貸してるお金1万円の返済期限は7/31でした。→自働債権
その友達に私が1万円借りてるのを返すのは8/31まででいい。→受働債権
今日は8/2
私は8月いっぱい返さなくてもよい(猶予がある)という期限の利益を放棄して
相殺することができます。
というようなことができます。
よっぽどのことがない限り現実に返し合うのは無意味だな。と思ったのですお互い。
そうそう、そのよっぽどのこと。
これは期限の話とはあまり関係ないですが、
例えば友達にお金を貸しているというものではなく
私のバッグを売るというものだったなら
友達は1万円を私に払うのは一緒ですが
こちらは相殺できません。
こういう相手の抗弁権のついている債権は自働債権には出来ません。
(この場合は同時履行の抗弁権)
私も友達も1万円払うという同種の債務持ちではあるので出来そうですが
これを相殺しちゃうと友達はバッグを手にすること出来ませんから。
(引き渡すまで払わないという抗弁を勝手に奪うことになる)
けっこうややこしいですが、こういう感じでいいと思う。
債権になったり債務になったりどっち側の言葉の説明でも混乱しますね(^^;)
時効消滅した債権の相殺
時効消滅した債権を自働債権にすることはできません。
片方はもう消滅してますから。無いですから。
これが原則。
でも例外がある。
消滅前に相殺適状にあったなら相殺できます。
理由は相殺できるようになってたその当時に、お互い相殺したもんだと思ってただけで実は相殺されてなかった、、
権利行使しないまま時効により消滅するってことがあるからだそう。
その救済措置みたいなものですね。
なんでも思っただけではダメですね。きちんと伝えないと!
相殺が禁止される債権
不法行為等から生じた債権を受働債権とする相殺
金貸しさんが、100万円を借金さんに貸してます。→自働債権
ある日金貸しさんは借金の取り立てに行き、返さないから腹いせにボコボコにした。
そうすると借金さん100万円の損害賠償を請求できるようになった。→受働債権
ということで、
金貸しさんは自分がお金払うのはなんか嫌で「チャラにしようぜ」と言うが
それはアウト!
不法行為に基づく損害賠償債務(治療費とかもろもろ)は
被害者に現実の弁済により損害の填補を受けさせるとともに、不法行為の誘発を防ぐという目的がある。
借金さんも自分の借金返済よりも
今してる怪我の治療のお金の方が最優先で必要かもしれません。
借金なくなっても死んじゃったらおしまいです。
生きて怪我を治してまた返すほうが絶対良いです。
※受働債権とするのはダメですが、自働債権ならOKです。
損害賠償請求権で借金さんが相殺を持ちかけるのはあり。
たいした怪我ではないかもしれない。
他に病院代のあてがあって、そんなことより金貸しさんとは2度と関わりたくないから早く逃げたくて。とかありそうです。
差押禁止債権を受働債権とする相殺
給料、年金、生活保護、児童手当などの支払いを目的とした債権
このような債権との相殺を許すと、単純に生活に困るからです。
差押えを受けた債権を受働債権とする相殺
AさんはBさんに貸金債権50万円ある。
BさんはCさんに賃料債権10万円ある。
対して、CさんもBさんに金銭債権10万円ある。
A→50万→B⇄10万⇄C
Aさんは、BさんのCさんに対する賃料債権を差押えた
この場合のCさんはBさんに対する金銭債権をもって
Bさんの持つ自分への賃料債権と相殺できるか?
★Aさんの差押え前から金銭債権を取得してたなら
↪相殺できる
★Aさんの差押え後に金銭債権を取得したのなら
↪相殺できない
※差押え後でも相殺できたなら、Aさんは差押えをした意味がないから
(ただし、債権の発生原因が差押え前にあるなら、相殺できる)
こういうのはイラストや図解が絶対分かりやすい( ;∀;)
債権譲渡における相殺権
債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗できる。というものです。
私が友達に貸してる1万円の債権を母親に譲渡しました。
なので、母親は友達に1万円をもらいに行った。
そしたら友達は私にも5千円貸してるからその分は相殺して残り5千円だけ返します。
というのはOKというものです。
コメント