1条とは分けて考えたほうがいい気がする。
ここも結局は最終的には判例頼みになるのです(~_~;)
(大丈夫!後々あなたは分かるようになってくるから!と半年前の自分に言おう…)
2条1項
道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。
2条は、近所の公園のブランコが老朽化してて鎖が切れて子供が怪我をした。
そんなときは誰が責任取ってくれるの?というお話。
設置管理してるのが県なら県が、市なら市が。
というように国又は公共団体が賠償責任を負います。
公の営造物
公の目的に供されている有体物のこと。
学校、図書館、公園、パトカー、ガードレール、道路などなど
不動産も動産も。
そういう人工公物だけではなく、河川なんかの自然公物も。
みんなのために使われている物は「公の営造物」
設置または管理の瑕疵
通常有すべき安全性を欠いていること
どういった状態が「通常有すべき安全性」を欠いているかどうかは、
その物の構造、用途、環境、状況、いろんな事情を考慮して個別具体的に判断される。
(逆にちゃんとした使い方をする義務が一般市民には当然にある)
物理的な瑕疵(穴とか)だけでなく、機能的な瑕疵(騒音とか)も含む。
2条は無過失責任の規定です。
かといって結果責任ではない。
★不可抗力によるもの
★避けることがどう考えても出来そうになかったもの
そういったことについてまで責任を求めているわけではない。
それは仕方がないことなので、そこにまで賠償責任は負わない。
※設置または管理
法律上の管理権を有している者だけでなく、事実上の管理をしている者も含む
◉私物を公用していたとして、管理しているのも所有しているのも私人かもしれないけど、公用してるんなら国だって管理者だと思われても仕方ないよね。
◉河川工事中の事故だって、河川は誰の物でもないかもしれないけど、その工事を頼んだ市は実質管理していたと思わない?という感じ。
他人に損害の範囲
営造物の利用者だけじゃなく利用者以外の第三者も含まれる。
空港の騒音被害だとして、
空港を利用した人が損害を受けているというよりも
周りに住んでいる人のほうが明らかに損害を受けている人。
なのに利用者だけの範囲だとおかしくなるもんね。
2条2項
前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。
道路が陥没して事故がありました。
国が賠償しましたが、道路工事にそもそもの原因があったとしたら、業者さんに求償できる。
(民法の土地工作物のケースと同じ)
ここでも免責規定はないので、まず賠償そして求償の流れ。
瑕疵について(ちょっと具体例)
★予算の制約
◉人工の物…道路とか
↪管理に瑕疵があるとされることがほとんど
崖の落石防止の工事をしたいけど、予算が足りないからって言い訳にはならない
予算の範囲で出来ることをやるのも、また仕事。
◉自然の物…河川工事とか
↪わりとOKになる
工事したいけど予算ないしどうするって場合に「今どんな感じなん?」が結構関わる。
※未改修の河川
時間的、技術的、財政的、社会的制約が解決されてない場合、同じくらいの他の河川と比べて、その河川が安全性を備えているかどうかで判断すべき。とした。
つまり備えてたらOKになる。
※段階的改修中の河川
きちんとその時点での工事が予定通りなら、計画的にも現時点での安全性はクリアしてるはず。
過渡的(移り変わる途中)な安全性で足りる。とした。
これもその時まで出来る事してたらOKなんじゃないってこと。
※改修済みの河川
改修、整備された段階で想定された洪水から、その当時の技術水準に照らして水害を未然に防止できる安全性があるかどうかによる。とした。
その安全性は要求したけど、大丈夫そうならOKですよね。
★道路の瑕疵
◉長時間放置してたバイクに衝突して事故の場合
ほったらかしてたのは管理責任の問題→瑕疵あった、賠償責任ある
◉目の前の車が赤色灯吹っ飛ばしたから、後の車が工事の穴に落ちた事故の場合
すぐに駆け付けて直すことはできなかった
↪(不可抗力・回避可能性なし)→設置管理に瑕疵はない、賠償責任なし
他にもガードレールに座ってて車に轢かれた場合とかある
↪座るためにあるわけではない(使用注意義務違反)→賠償責任なし
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