意思表示が無効とされることのある心裡留保、虚偽表示とは違い
取り消すことができるのが、錯誤、詐欺、強迫です。
120条2項
錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。
無効とは違って、意思表示した側の人だけが取消しは主張できますね。
取消権は、追認をすることができる時から5年、行為の時から20年で時効消滅
追認は、取消しの原因となっている状況が消滅し、かつ、取消権を持ってると知った後からじゃないと効力は生じない。
遡及効なんで、あとは原状回復義務か。
法定追認というのもあるなんて忘れてました...どっかで一応確認しないとな。
錯誤
錯誤って「勘違い」です。
テンパると言い間違いとか変な思い違いしますね(^^;)
そういうものだと思うんですけど、パニックとは違いますよね多分。
錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的および取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができます。
※社会通念に照らして→当事者だけでなく一般の他の人を基準に考えてみても「普通しないよな」みたいな感じ
原則は、取り消せる!でいいという結論に至った。
重要じゃないことを勘違いしたら、とか難しく考えると迷路に迷うから
重要なものかどうかなんてその人の気持ちひとつだ!
(社会通念が関わるのでホントはこんな覚え方はダメ)
だってホントはコーラを頼みたいのにコーヒーって言ってしまったとか、飲みたい「もの」が違うから結局は重要なことですよね。
ただし、その錯誤が表意者の重大な過失によるものなら取り消せない!
重大な過失って→ささいなミス、ちょっと気をつければ良かったようなこと
大きな間違いをした、ではなく、うっかりって感じですね
なので、さっきのコーラとコーヒーの言い間違いはビミョーにダメな例かも(・_・;)
取り消せないかもしれないですね💦
でも、もしこっちに重大な過失があっても
相手がそのことを知っていたか、うっかりしていて知らなかったか
同じ勘違いをしていたなら、やっぱり取り消すことができる!
※相手方が❶悪意❷重過失❸同一の錯誤に陥っていた、のどれかならOK
※表意者の重過失の立証責任は相手方(自分のために自分で立証するのだ)
錯誤には、表示錯誤と動機錯誤があります。
★表示錯誤(外観上の問題)
Aを売りたいのに契約書にBと書いてしまった、値段を聞かれて4千円を3千円と言ってしまったとか。
意思と表示が不一致なこと。
★動機錯誤(内面の問題)
駅ができるから開発され周辺の土地が値上がりすると思って土地を買ったのに、駅ができなかった…(それなら買わなかったのに)というようなこと。
意思と表示は一致してるけど、そもそもの動機(きっかけ)が勘違いしてること。
動機錯誤の場合は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、認められます。
※明示的でも黙示的にでも表示されてれば良い
さっきの場合だと、「駅ができるから」とか言ってた、どのくらい値が上がるかを気にしてた、なんて雰囲気あったのならOKかと(黙示的な表示)
当事者間はそれでいいんですが、やっぱり大事なのは第三者との問題
錯誤による取消しは、善意かつ無過失の第三者には対抗できない
勘違いをしてた人と、そんな事情全く知らない人なら保護されるべきは後者。
詐欺
私は詐欺に遭いました
持ってるサイン入りボールのサインが偽物だと言われ、友達に売ってしまいました
だけどホントは本物のサインだったんです
こういう場合も取り消せます。
詐欺による意思表示も取り消すことができます。
どう考えたってだます方が悪いじゃないですか!
ボールを取り戻し、友達はもう友達ではなくなりますw
しかし、善意かつ無過失の第三者には対抗できません。
友達が野球部の先輩にプレゼントしており、その先輩は詐欺について知らないのなら
もう取り戻せません。
知らない人は何も悪くない、だまされた私にも落ち度はありますから…
★第三者詐欺
Aさんは町内会長さんに上手く言いくるめられ、自分の土地を不動産屋に売りました
契約相手でもない第三者である町内会長さんからの詐欺
この場合、売った相手である不動産屋がその詐欺について
知っていた、または知ることができたのなら取り消せます。
※相手方が悪意または有過失のときに限り、取り消すことができる
不動産屋と町内会長はおそらくグルだったわけですよ!
そうとするなら取り消せて当たり前の話✨
でも善意かつ無過失の不動産屋なら取り消せないわけですが…
そしたら町内会長は何のために詐欺をした???
強迫
強迫による意思表示は取り消すことができる、絶対取り消せます!
強迫した相手が誰であろうとそんなことする奴が悪い!
善意・無過失の第三者にだって対抗できます!
取消しと登記
物権変動のことだけど念のため
取消し前の第三者→第三者に対抗できる
↪ただし錯誤・詐欺を理由とする取消しは善意・無過失の第三者には対抗できない
取消し後の第三者→先に登記したほうが優先
※特に強迫による取消しは注意
強迫だからって取り消せる!強い!くらいで考えるのやめて片づけてはダメ
もし取消し後の第三者との対抗関係の問題ならば、登記まで考えないと
取り消せる=対抗できる、勝てる!というわけではない
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